【情念が渦を巻いています】渦になる:きのこ帝国 を聴きました。
アルバム名:渦になる
アーティスト名:きのこ帝国
発売日:2012年5月9日(UK PROJECT)
収録曲
2.退屈しのぎ
3.スクールフィクション
4.Girl Meets Number Girl
5.The Sea
6.夜が明けたら
7.足首
きのこ帝国とは
2007年結成の男女2人ずつの4ピースバンド。2012年インディーズデビュー、2015年メジャーデビュー。バンド名は当時ギター担当のあーちゃんの格好がきのこのようだったことと、ゆらゆら帝国から名付けられた。
このアルバムとの出会い
itunesで再生回数の多い曲順にソートしてみると、見事にこのアルバムの曲がいくつも上位に来ていました。2016年最も聴き込んだアルバムだと思います。
バンド名だけは「何かゆらゆら帝国に似た名前のシューゲイザーな音の女性ボーカルバンド」くらいの知識で知っていたのですが、初めて聴いたアルバムが確かメジャーデビューアルバムの「猫とアレルギー」でした。
前知識シューゲイザーなバンドのアルバムとして聴いてみたら、あれ?ってなったのを覚えています。まぁあれはあれで良いんですけどね。
そんな中、次に聴いたのが本作。ボーカルは同一人物なのに見事に声が違う。「猫とアレルギー」の透明感のある声から、なんか恨み節な感じ。当時仕事でかなりのストレスを背負っていたので、ショック療法と言うのでしょうか。やたらとその恨み節な歌声が心に馴染む馴染む・・。見事に2016年ヘビロアルバムナンバー1となっていました。
メランコリックを越えたドロドロな感情の捌け口
音源としては2012年発売の1stアルバム。個人的に捨て曲はないアルバムですが、湧き上がる感情の洪水を体現しているのはミディアム・スローテンポな曲。tr1「WHIRLPOOL」tr2「退屈しのぎ」、tr5「The Sea」、tr6「夜が明けたら」あたりです。元来「シューゲイザー」とは「ひたすら置いてある靴をぼーっと見ているような虚ろ気な表情」で演奏しているような音楽という意味があるそうなのですが、そう意味では見事にシューゲイザーしていますが、slowdiveやrideみたいなキラキラサウンドとは少し違います。荷物一つないワンルームマンションの窓際でほぼ夜になった夕方の空を座ってじっと眺めているような・・そんな音像が出てきます。ストイックに暗い。tr5の「許されたいから許すのは間違った思想、真っ暗な部屋で君にもらったお香をたこう」あたりとかドロドロの感情が行き着く先を表現していると思います。冒頭に「恨み節」と書きましたがボーカル佐藤さんの歌唱力はかなり高いです。歌うまい・・。すげー美人でもあります(笑
誰かが「森田童子+シューゲイザー」って例えできのこ帝国を語っていましたが、僕は「中島みゆき+初期Radiohead」って印象です。
~夜が明けたら
これは「中島みゆき+creep」かな(笑