【深いヘヴィロックの世界】Rainbow:Boris with Michio Kurihara を聴きました。
アルバム名:Rainbow
アーティスト名:Boris with Michio Kurihara
発売日:2007年5月22日(Blue Chopsticks)
収録曲
01.ラフレシア
02.虹が始まるとき
03.シャーボ
04.私の雨
05.閃光へ
06.不透明度
07.散漫な彼女
08.スウィート No.1
09.にじむ残像
Borisとは
1992年活動開始、3人組のロックバンド。一つのジャンルに収まりきらない多彩な音楽性を持ち、アンダーグラウンドでの活動に身を置きながら、彼らのファンは日本だけでは無く世界にも広がる。日本が誇るワールドワイドなバンド。
この個性は唯一無二
もう表記からしてどうすれば良いか迷うんですが、同じボリスでも実験的なアプローチを見せる時は「boris」、ヘヴィロックなスタンスの時は「BORIS」、今はその中間の「Boris」という表記もあるそうで、このアルバムでは「Boris」ですね。確かにboris名義のアルバムは難解なものが多く、BORIS名義のアルバムはギターがギャンギャン、ベースがブリブリ、ドラムがボコスカって感じの音です。悪口みたいに聞こえますが、自分は大好きです。どことなくインテリジェンスな雰囲気を出しつつ、かつ臨界点を突破した強烈なダイナミズムを発生させるバンドです。とにかくいちいちかっこいい。いまや映画「告白」のメインアーティストだったり、TVCMでタイアップ曲提供したり、海外ツアー行きまくったり、色々活動的ですね。
ところで、自分このバンドはライブで2度みています。1回目は大阪のベアーズというライブハウス、2回めはこれも大阪のファンダンゴだったかな。なんのイベントだったかは忘れてしまいましたが、ライブではとにかくギターのWataさんがめちゃくちゃ目立っています。スラっとした見た目の女性なんですが、その後ろにはOrangeのギターアンプ、これがまた強烈な音出すんですよね。特にベアーズはその界隈では有名なハコなんですけど狭い、そこにあの音ですからね。ハコ自体がものすごい音圧で壊れそうでした。(大阪、難波ベアーズは関西アンダーグラウンドの聖地的なライブハウスです。自分もハードコアのバンドでドラムを叩いていた頃は何度も出させていただきました)
さて、今回紹介する「Rainbow」ですが、70分1曲、轟音カタルシスな「Flood」、キャッチーでオシャレなギターロックな「New Album」、ドローンなヘヴィロック「PINK」などアルバムで様々な音楽の変化を出してくるボリスの中でも平均的にこのバンドを描いている音になっているんじゃないかなと思います。各楽器はヘヴィでありながら、どこか牧歌的な雰囲気も出ている。歌は物憂げな感じ。レッツパーリーな感じはこのアルバムではありませんね。tr2「虹がはじまるとき」とかは「告白」での劇中で使われていたかな。
レコメンド
tr1「ラフレシア」
この曲めちゃくちゃ好きなんです。スローテンポで重くひきずるようなサウンドですが、メランコリックなメロディに乗って深い世界に引きこまれていく感じがします。この曲はとにかくヘッドフォン、大音量で聴いてもらいたい。
tr9「にじむ残像」
キラキラ美しいインストゥルメンタル曲。ボリスってヘヴィなロックチューンの間にこういうスピリチュアルな曲を挟んだりするところがインテリジェンスを感じるんですよね。