好奇と羨望の眼差し

思いつくままにだらだらと。音楽レビューとか色々好き放題に。

【癒されるというかムラムラくる感じ?でもジャズってそんなもんかも?】cure jazz:UA×菊池成孔 を聴きました。

 

アルバム名:cure jazz

アーティスト名:UA×菊地成孔

発売日:2006年7月19日(ビクターエンタテインメント

 

収録曲

01.Born To Be Blue

02.Night in Tunisia

03.Over the Rainbow

04.Music On the Planet Where Dawn Never Breaks

05.Ordinary Fool

06.溜息的泡

07.This City Is Too Jazzy To Be In Love

08.Luiza

09.Honeys and Scorpions

10.Hymn of Lambarene

11.I'll Be Seeing You

12.Nature D'eau

 

大晦日は実家で過ごすことが常、自分が大学卒業まで過ごした4畳ほどの自室は、幾多の年月を繰り返し人一人横たわることの出来ない完全なる倉庫状態に成り果てており、たまの帰省での数日間の滞在で、その倉庫を人間が生活できる状態に直すのはいささか億劫になる。両親と弟、1匹のポメラニアンが住んでいるが、その先住者が住みよいように元自分の部屋を倉庫状態にしているのだから、彼らの日常をたった数日のために壊したくない・・・というわけで、死んだ祖母が使っていた仏壇部屋のようなところに布団を敷いて過ごしている。ただその部屋はテレビアンテナが無いので、地上波放送を見ることができない。紅白歌合戦はそもそも見ないし、ガキの使いも最近は冒頭のバス移動あたりでお腹いっぱいになっているが、「見れない」前提の部屋はなかなか寂しいもんだ。

 

・・というわけで、今年はPCを買い換えたので、一台WindowsPCが余っている。これを実家に持って帰り、DVDを鑑賞することにした。その中の1枚、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」、このアニメ、完全にファーストガンダムをリアルタイムで観てきたようなオッサンガンオタをターゲットにしたようなアダルトテイストなガンダム、事前に漫画で話の筋は押さえていたが、かなり良かった。まぁこのまま何が良かったかを語り出すとガンダムアニメのレビューになってしまうので割愛。

 

前置きがえらく長くなってしまったが、このアニメの劇中に流れるジャズ音楽、宇宙でのモビルスーツ戦に妙にマッチしてかっこよかったんですよね。ここで使われているジャズの音楽担当をしていたのが、菊地成孔さん。ほう、菊地秀行さんの実弟なんだ。吸血鬼ハンターDの作者ですね、TM Networkの主題歌結構好きだったぞ・・。と色々菊地成孔さんを調べていくうちにこのアルバムを発見。UAとコラボしてアルバム出しているんだ・・と。

 

UAと言えば日本人離れした顔立ちだけど、コテコテの関西弁でなんか親近感がわく女性ボーカリストamazonとかで今までのアルバムジャケットを見ていると随所にbjorkな雰囲気を出している。和製bjorkとか言われていても不思議じゃ無い感じですよね。bjork自身も様々なミュージシャンとコラボレーションしてきているわけですし、共に孤高の存在的な印象が強いですね。声質は似てなくも似ているとも言えるのかな・・どちらも音楽によって自在に着替えることができるボーカルスキルを持っているのでしょうかね。

 

さてこの「cure jazz」ですが、ジャズに対して特別に予備知識を持っていない自分でもどこか聴いたことがあるような、ごくごくその世界ではスタンダードなナンバーと彼らオリジナルのナンバーが織り混ざっているそうです。まぁ夏に聴けばきっと「チルアウト」って言葉が似合うアルバムなんでしょうね。夏の夜、浜辺越しのテラスハウスで聴くというよりかは、都会のビル群が似合う感じ。まぁこの記事を書いているのは元旦の真冬真っ只中なんですが、チルアウトというよりかは、体温を1・2度上げてくれるような高揚感を与えてくれる印象があります。UAの官能的な歌い回しが妙にエロティック。是非、間接照明だけにして年末年始の夜長に癒しのムラムラ感を堪能してみてはいかがだろうか。

 

レコメンド

tr5「Ordinary Fool」

UAの歌い回しと、まとわりつくようなピアノフレーズが妙にエロティック。自分は一人で聴いていますが、カップルで聴けば場の色が変わりそうな感じです。

 

tr9「Honeys and Scorpions

エゴラッピン的な感じの曲ですね。ナイトクラブのステージとか想像してしまいます。

 

 

 

  

 

cure jazz

cure jazz

 

 


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【キラキラオルタナサウンド】COLD DISC:ストレイテナー を聴きました。

 

アルバム名:COLD DISK

アーティスト名:ストレイテナー

発売日:2016年5月18日(ユニバーサル ミュージック)

 

収録曲

01.原色

02.シーグラス

03.Curtain Falls

04.Alternative Dancer

05.Dark City

06.DAY TO DAY

07.NO ~命の跡に咲いた花~

08.The Place Has No Name

09.Goodnight, Liar Bird

10.Force

11.覚星

 

ストレイテナーとは

1998年東京で結成、ホリエアツシナカヤマシンペイ日向秀和大山純ら4人組のオルタナティブ・ロックバンド。バンド名には「真っ直ぐにする人」という意味がある。

 

9thはスルメなアルバムでした。

特に彼らの音楽性を説明するまでもないですが、ボーカルのホリエアツシさんの一番のリスペクトはトム・ヨークなんですね。radioheadの方は初期作品と比べて音楽的に難解になっている感じはしますが、トムの美声は変わらないところです。美声ボーカルがバンドの魅力の一つという点ではテナーも同じところ。まぁホリエ氏がリスペクトしている部分はそこじゃないような気がしますが。

 

本作は1年7ヶ月ぶり、通算9枚目のオリジナルアルバム、もうそんなに出してたんですね。自分がこのバンドを知ったのが、FM802で「SIX DAY WONDER」がヘビーローテーションされていた頃、少し前にドラマの主題歌でテナーの曲が流れていたりもしていましたが、「SIX DAY WONDER」リリースの頃に知った人が多いんじゃないですかね。初期の作品から聴き返しても変わらない感覚なんですが、テナーのアルバムはどれも「良品質」です。「良品質なロックパッケージアルバム」なんです。なんか貶しているように見えますが、自分ではかなりの賛辞のつもりです 笑

 

御多分に洩れず、この「COLD DISK」もかなりの良品質。隙のない完成されたバンドアンサンブル、美声で美しいメロディ、安心して聴けるアルバムではあるのですが、初見の印象は「綺麗にまとまりすぎているな」という印象でした。自分はホリエ氏のソロプロジェクト、entもかなり好きで、もうすぐ新しいアルバムが出るのでテナーのアルバムを聴き返しているところ、「あれ?このアルバムかーなりいいんじゃねーの?」というわけでレビューをしてみました。サウンドスケープはとにかく「キラキラ」、女子力高いとかそういうキラキラじゃないです。メランコリックなメロディではありますが、陰鬱な感じではありません。初期の「traveling gargoyle」のような勢いで押すような曲ではなく、一音一音くっきり、ゆっくり、丁寧に聴かせるようなアルバムですね。あとかつてのギュイーンなギターの歪み感も薄らいだ感じです。どっちが良いとかでは無くてどっちもしっくりきます。テナーの場合は「今回はこういう感じで聴かせるんだな」という妙な説得力がいつもあるような気がします。

 

スルメなアルバムってあるんですが、聴きこむまでいかず、良さを発見できずに埋もれてしまうものってきっと多いんじゃないかなぁと思います。こういう再発見は宝物を掘り返した感がありますよね。

 

レコメンド

tr3「Curtain Falls」

テナー節炸裂です。ミドルテンポで心地よい耳障りの良曲です。アルバムには必ず1曲は入ってそうな曲ですが、この予定調和感が期待を裏切らないポイントです。「You and I」とか「Sunny Suicide」とか好きなら絶対気にいるでしょう。

 

tr5「Dark City」

これは疾走感ですね。これもある意味テナー節です。「Melodic Storm」とか好きなら是非って感じの曲。アルバム「Nexus」あたりに入っていても全然違和感無い感じ。サビの一旦ドラムのアタックが半分になり、スピード感を揺らつかせて、すぐさまスピードを乗せる感じがたまらないです。

 

tr10「Force」

もうこれまでのテナー集大成って感じ。バラード調の入り方から、徐々に疾走していく感じ。んーうまく例えられないな・・・。もう自分の中ではストレイテナーは例え元な域まで来ている感じなので。「ストレイテナーみたいな」とかね。

 

 

 

 

COLD DISC(通常盤)

COLD DISC(通常盤)

 

 


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【深いヘヴィロックの世界】Rainbow:Boris with Michio Kurihara を聴きました。

 

アルバム名:Rainbow

アーティスト名:Boris with Michio Kurihara

発売日:2007年5月22日(Blue Chopsticks)

 

収録曲

01.ラフレシア

02.虹が始まるとき

03.シャーボ

04.私の雨

05.閃光へ

06.不透明度

07.散漫な彼女

08.スウィート No.1

09.にじむ残像

 

Borisとは

1992年活動開始、3人組のロックバンド。一つのジャンルに収まりきらない多彩な音楽性を持ち、アンダーグラウンドでの活動に身を置きながら、彼らのファンは日本だけでは無く世界にも広がる。日本が誇るワールドワイドなバンド。

 

この個性は唯一無二 

もう表記からしてどうすれば良いか迷うんですが、同じボリスでも実験的なアプローチを見せる時は「boris」、ヘヴィロックなスタンスの時は「BORIS」、今はその中間の「Boris」という表記もあるそうで、このアルバムでは「Boris」ですね。確かにboris名義のアルバムは難解なものが多く、BORIS名義のアルバムはギターがギャンギャン、ベースがブリブリ、ドラムがボコスカって感じの音です。悪口みたいに聞こえますが、自分は大好きです。どことなくインテリジェンスな雰囲気を出しつつ、かつ臨界点を突破した強烈なダイナミズムを発生させるバンドです。とにかくいちいちかっこいい。いまや映画「告白」のメインアーティストだったり、TVCMでタイアップ曲提供したり、海外ツアー行きまくったり、色々活動的ですね。

 

ところで、自分このバンドはライブで2度みています。1回目は大阪のベアーズというライブハウス、2回めはこれも大阪のファンダンゴだったかな。なんのイベントだったかは忘れてしまいましたが、ライブではとにかくギターのWataさんがめちゃくちゃ目立っています。スラっとした見た目の女性なんですが、その後ろにはOrangeのギターアンプ、これがまた強烈な音出すんですよね。特にベアーズはその界隈では有名なハコなんですけど狭い、そこにあの音ですからね。ハコ自体がものすごい音圧で壊れそうでした。(大阪、難波ベアーズは関西アンダーグラウンドの聖地的なライブハウスです。自分もハードコアのバンドでドラムを叩いていた頃は何度も出させていただきました)

 

さて、今回紹介する「Rainbow」ですが、70分1曲、轟音カタルシスな「Flood」、キャッチーでオシャレなギターロックな「New Album」、ドローンなヘヴィロック「PINK」などアルバムで様々な音楽の変化を出してくるボリスの中でも平均的にこのバンドを描いている音になっているんじゃないかなと思います。各楽器はヘヴィでありながら、どこか牧歌的な雰囲気も出ている。歌は物憂げな感じ。レッツパーリーな感じはこのアルバムではありませんね。tr2「虹がはじまるとき」とかは「告白」での劇中で使われていたかな。

 

レコメンド

tr1「ラフレシア

この曲めちゃくちゃ好きなんです。スローテンポで重くひきずるようなサウンドですが、メランコリックなメロディに乗って深い世界に引きこまれていく感じがします。この曲はとにかくヘッドフォン、大音量で聴いてもらいたい。

 

tr9「にじむ残像」

キラキラ美しいインストゥルメンタル曲。ボリスってヘヴィなロックチューンの間にこういうスピリチュアルな曲を挟んだりするところがインテリジェンスを感じるんですよね。

 

Rainbow

Rainbow

 

 

 


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【演奏 超うまいポストロック】Phantasia:LITE を聴きました。

 

アルバム名:Phanrasia

アーティスト名:LITE

発売日:2008年5月21日(UK Project

 

収録曲

01.Ef

02.Contra

03.Infine Mirror

04.Shinkai

05.Black and White

06.Interlude

07.Ghost Dance

08.Solitude

09.Phantasia

10.Fade

11.Sequel To The Letter

 

LITEとは

ドラム、ベース、ギター2本の4人からなるインスト・ロックバンド。2003年5月結成。独自の世界観とずば抜けた演奏力で会場のオーディエンスだけでなくバンドマンからも評価が高い。

 

とにかく演奏、曲構成がずば抜けています。

自分にとってポストロックと呼ばれるバンドで外せないバンドがいます。もはや定番のtoe、以前レビューしたことのあるMONO、「残響系」のボスte'、そしてLITEです。(mouse on the keysも好きですが、こちらはninedays wonderというポストハードコアバンドのメンバーの前身バンドが自分にとってカリスマ的存在でして・・あまりポストロックとして聴けない自分ががいるんですよね)LITE、特にこの「Phantasia」はこの4バンドの中の音源でも非常に「ロック」なアルバムです。自分はドラムが叩けますので、リズム隊の演奏に特に耳を傾けがちなんですが、本当このアルバム、ドラムがめちゃくちゃかっこいいです。捨て曲が無いってアルバムレビューでよく語られるフレーズですが、このアルバムは「捨て音が無い」です。一音一音各パートの楽器から出る音が楽曲の中に溶け込んでいます。初めて視聴した時は「あ〜そう来るかぁ」と感嘆の嵐、もちろんバンドマンじゃなくても充分楽しめる素晴らしい出来なアルバムなんですが、これぞミュージシャンズ・ミュージシャンなアルバムなんじゃないですかね。高いレベルで参考書、教科書的な出来だともいます。発売から今まで自分のヘビーローテーションになっているマスターピース的なアルバムです。

 

toeやte'が好きなら是非(楽曲的にはこの2バンドの中間くらいの音触りです)、MONOとはちょっと違いますが、同じ麺でも讃岐うどんと醤油ラーメンを比較するような感じです。(讃岐うどんとカレーライスほどの差はありません 笑)

 

レコメンド

tr4「Shinkai」

徐々に音が重なっていき、最後は音の洪水で爆発する・・こう書いたらありがちな表現になってしまいますが、一音一音丁寧に洪水してくれています 笑

 

tr7「Ghost Dance」

この曲はベースとギターのかけあいがカッコいいです。

 

tr9「Phantasia」

初めて聴いた時は「ナニコレ・・スゲエ・・」って印象でした。ドラムのオカズひとつひとつが痺れる。突如変化するリズムがいちいちかっこいい。何か自分が期待している部分にポンと理想的なフレーズが入っています。この1曲で1つのアルバムだというくらい曲間のパートがはっきりしています。ポストロックの教科書的楽曲。 

 

 

 

Phantasia

Phantasia

 

 

 


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【叙景アンビエント・エレクトロニカ】I Hold a Wish for You:aspidistraflyを聴きました。

 

アルバム名:I Hold a Wish for You

アーティスト名:aspidistrafly

発売日:2009年12月15日(Ktchen.Label)

 

収録曲

01.Candlescape

02.Moonlight Shadow

03.Common Colors In the Air

04.Sampling Atmosphere

05.On the Summer Solstice

06.Porcelain Sky Wink

07.Sui

08.Endless Dreamless

09.Kanji

 

aspidstraflyとは

シンガポールを拠点に活動するApril LeeとRicks Angによる男女ユニット。フォーク、アンビエントエレクトロニカなど多彩な要素を要素を入れつつも優しく、浮遊感のあるサウンドを出す。

 

陽だまりの中、川を眺める・・水面に反射する無数の光・・それをただ眺める・・

レビューする以上、文字だけでそれがどんな音楽なのか伝えたい。「百見は一聞にしかず」はわかっているところだが、細分化されたジャンル名を並べても結局どんな音楽なんだ?と目をしかめるケースは多い。そこで便利なのが「サウンドスケープ」、音が描く風景、シチュエーションで伝えたい。ここは自分が音楽のレビューをする際に課題にしているところです。・・・まぁ御託ですね・・・要するに色々例えるのが好きなんです、スミマセン。

 

さて、今回のaspidstrafly、ほぼ初見でレビューしております。filmsやらmatryoshkaなどの幻想的な女性ボーカル・エレクトロニカを好き好んで聴いている自分としては2曲めがかかった瞬間鳥肌が立っちゃいましたよ。前述のサウンドスケープは前述の見出しの部分です、ハイ。アルバムに広がるサウンドはただただ優しく流れていく・・誰もいない所で無になりたい時ってありますよね。なんかどこかに連れて行かれそうな気分にさせてくれますよ。あと、まぁオシャレなんですけど、それだけで片付けていいのかなって思わせるアルバムです。

 

レコメンド

tr3「Common Colors In the Air

私たちは気づくでしょう。ふとした日常に広がるあの風景を・・・。アコースティックギターの旋律と優しく歌い上げるボーカルがただただ優しい・・。休日の昼間なんかにずっと聴いていたいサウンドです。コーヒーより紅茶、いやミネラルウォーターだな。

 

tr4「Sui」

これはエレクトロニカ的に良いですね。記憶の断片を音にしたような・・どの曲もキラキラしているんですが、体の中に入るミニマルな音の波を感じます。

 

 

 

 

i hold a wish for you

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【もはや様式美ポストロック】Requiem For Hell:MONO を聴きました。

 

アルバム名:Requiem For Hell

アーティスト名:MONO

発売日:2016年10月14日(Hostess Entertainment)

 

収録曲

01.DEATH IN REBIRTH

02.STELLAR

03.REQUIEM FOR HELL

04.ELY’S HEARTBEAT

05.THE LAST SCENE

 

MONOとは

1999年東京で結成、4人組のインストルメンタル・ロックバンド。結成当初よりグローバルに活動を展開。 世界トップクラスのNYCのレーベルTemporary Residence Limitedより、これまでにオリジナル フルアルバムを6枚ワールド・ワイド・リリースしている。

 

寒空の下、さらにクールダウンさせる情熱のロックサウンド

「ポストロック」の枠組みの中だけでこのバンドを語るにはあまりにも唯一無二な存在。これまで一貫してMONOのサウンドスケープは寒空、雪が降り積もる荒野で一人佇んでいるような孤独な風景を思い起こされます。静から動へ徐々に向かっていく過程に高揚感を覚えるものの、音全体に染み渡っている冷たさが相反して様々な感情がこみ上げてくる・・そして最後に迎えるカタルシス・・褒めすぎでしょうか 笑 とにかく大好きなバンドなのです。

 

本作は十数年のキャリアから数えて9作目のアルバム。プロデュース、リミックス、録音は御大スティーブ・アルビニが担当、この出会いがMONOのサウンドに新たなケミストリーを起こしています。うん・・確かに爆発するあたりにmogwai的な音のザラつきを感じます。「IN UTERO」で魅せられた以来、本当この人が創る音には裏切られたことが無いです。・・かと言って前述の通り本作もMONOの本筋は変わらずに独特な冷たさと、このバンドでしか味わえない静と動のうねりを堪能することが出来ます。

 

レコメンド

tr3「Requiem For Hell」

タイトルトラックですね。ギターのアルペジオから始まり、徐々に音が重なっていき、ボルテージが高まり、最後はめくるめく音の洪水が押し寄せる・・MONOの鉄板パターンです。ある種の様式美を感じさせるほど完成されたバンドアンサンブルを聴かせてくれる曲です。

 

tr5「The Last Scene」

自分は死んだら地獄に行くだろう、地獄で抜け出せない永遠の苦しみを味わう前にせめて、一時の安堵を与えて欲しいーーこんな感じだろうか。終始一貫して「癒やしと寂しさ」を感じさせる音の広がりを感じさせます。ギターの旋律がとにかく美しい・・。

 

 

レクイエム・フォー・ヘル

レクイエム・フォー・ヘル

 

 


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【古き良き80年代ロックの金字塔】BOØWY:BOØWY を聴きました。

 

アルバム名:BOØWY

アーティスト名:BOØWY

発売日:1985年6月21日(東芝EMI

 

収録曲

01.DREAMIN'

02.黒のラプソディー

03.BABY ACTION

04.唇にジェラシー

05.ホンキー・トンキー・クレイジー

06.BAD FEELING

07.CHU-RU-LU

08.DANCE CRAZE

09.ハイウェイに乗る前に

10.CLOUDY HEART

 

BOØWYとは

1981年結成、1988年解散。当時のロックバンドでは異例のミリオンセラーを記録した日本では所謂「モンスターバンド」8ビートを基調にした縦ノリのロックサウンドは、日本のロックに変革をもたらしたバンドとして今日に至ってまでも確固たる地位を築いている。まぁ・・このバンドを日本語で書いている限り多くの説明は不要でしょう。本当にこのバンド以前と以降で大きく日本のシーンは変わったのではないでしょうか。

 

まさに「セクシー」

ポストロックやエレクトロニカシューゲイザーとか最近の僕がよく聴いている音楽の文章を書こうと思っていたのですが、ここに来てBOØWYを語るとは自分でも驚きです(笑)まぁ車を運転してて偶然に耳にして懐かしさのあまりに聴き惚れていたのですが、聴いていくうちにあることに気がついたのです。まぁ分かる人には今更な話ですが。

 

最近はあまり耳にしなくなってきましたが(ゴールデンボンバーくらい?)、ヴィジュアル系と言われるバンドによくある歌い方、「た行」を「ちゃ、てぃ、ちゅ、ちぇ、ちょ」と歌うボーカルスタイルですね。これ僕異様にイライラするんですよ(笑)オカマっぽい見てくれで金切り声でこの発音をされると「ちゃんと日本語喋れ」とか思ってしまうんですね。一言で言うと・・。「キモいんですけど」(ヴィジュアル系ファンの方々ごめんなさい、僕もヴィジュアル系といわれて好きなバンドもいますので)

 

そもそもこのキモい「た行」唱法は誰がルーツなんだ?と思っていて今更ながらに「あ、氷室京介か」と気づいてしまったのです。あと何故「キモい」と感じていたのか・・・ボーカルがオカマっぽかったからですね(笑)

 

このアルバムで氷室さんは、これでもかと「た行」を「ちゃ、てぃ、ちゅ、ちぇ、ちょ」と歌い上げます。しかしこれがまたカッコいい、声質がセクシー、艶っぽいんです。近づくとオーデコロンの香りがするような脂の乗った男のセクシーさですね。このセクシーさが無いまま、オカマっぽい声でこの唱法をするもんだから、氷室さんの真似をしようとする後続のバンドのボーカルはキモいと感じられてしまうのでしょう。

 

音楽性は今更僕があれこれ言わなくても、多くを色々と語られているアルバムです。ここは改めて氷室さんの絶妙な「た行」を堪能しましょう。

 

レコメンド

tr1「DREAMIN'」

僕にとってBOØWYと言えばこの曲。曲調も「the 布袋」ですね。

 

tr6「BAD FEELING」

「イマジネーション通りに腰ふるのは、やーめーちぇーくれー」です。た行唱法の応酬です。モテる男のみに許された歌詞です。「抱いてみる」とかモテナイ僕なんかには到底できない行為です。「頼むから抱かせてください!!」ですから・・・笑

 

 

BOφWY+1

BOφWY+1

 

 


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